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インターアメリカン・ダイアログ(Inter-American Dialogue, 以下ではDialogueと省略)と日本・ラテンアメリカ協会(JALAC)にとり、同協会の常務理事兼シニア・アナリストである桑山幹夫氏とDialogueの中国・ラテンアメリカプログラム部長のマーガレット・マイヤーズ氏によるこの共同レポートを発表できることは大変喜ばしいことである。桑山氏は、元国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)の国際貿易地域統合部で課長を務めた日本におけるラテンアメリカ研究の専門家である。アジアのラテンアメリカ・カリブ海諸国(LAC:Latin America and the Caribbean)との関係の発展に関する研究で著名なマイヤーズ氏は、日本と中国において米国政府に勤務した経験を持つ専門家である。
このレポートは、「日本と中南米:過去と現在(Japan-LAC Relations: Then & Now)」と題され、2015年9月にワシントンDCで開催された会議の成果である。この会議はDialogueとJALACの共催で、官民両セクターからの代表が出席し、日本のLACに対する新しい外交、経済政策について幅広い討議がなされた。
同レポートは、LACとの関係において、政治・経済の混乱があったにせよ、日本が半世紀以上にわたり培ってきた特異な関係の構築および変遷について考察し、日本のLACへの関与形態は他の東アジア諸国のそれとは異なり、将来強固な関係を構築することができる大きな可能性を秘めていると指摘する。この強い絆は、太平洋の両側で経済成長が鈍化するにつれより重要になってくる。